「学び」による人的資本経営がパーパス経営につながる 2023年、企業での「学習」はAIの有効活用がカギ

〜ユームテクノロジージャパン、「パフォーマンスラーニングに関する2022年総括と2023年の展望「を発表〜

オンライン学習プラットフォーム「UMU(ユーム)」を展開しているユームテクノロジージャパン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:松田しゅう平、https://www.umujapan.co.jp、以下、ユームテクノロジージャパン)は、「パフォーマンスラーニングに関する2022年総括と2023年の展望」について発表いたしましたので、お知らせいたします。

  • 「キャリア自律」とエンゲージメントの繋がり

2022年は、HRに関する多くのキーワードが広がった一年だとも言えます。例えば、キャリア自律、人的資本、エンゲージメント、リスキリングなどです。

例えば、移動が短縮できたり、自宅で仕事ができるというメリットもあるリモートワークですが、孤独になりがちで、精神的に疲れを見せている従業員は少なくありません。アメリカでは個人へのプレッシャーが高まり、大退職時代(Great Recognition)が到来していると言われています。日本はアメリカほどではありませんが、「キャリア自律」というキーワードのように、より自律し、成長することが求められ、状況は過酷になってきていると言わざるを得ません。企業としては、従業員がポジティブに業務を遂行できるようエンゲージメント向上に努めると同時に、キャリア自律にも取り組むという形になっています。

  • 加速化するパラダイムシフトへ対応するにはテクノロジーが必須

また、企業側から見れば、コスト構造や戦略などのビジネスモデルそのものが急速に変化しており、ユニットエコノミクス(顧客・製品・店舗などのユニット単位で事業の経済性を測定する指標)が成り立たなくなってきています。顧客のニーズも激変する中で、会社として、これまでのサービス内容や提供の仕方に対応しきれないため、提供価値を再定義する必要がでてきています。

かつては、数十年ないし百年単位で起こっていたパラダイムシフトも、デジタル技術の発展やインターネットの普及により加速しています。これまで、常識が覆るほどのパラダイムシフトが何度となく巻き起こってきました。記憶が新しいもので言うと、アメリカで起きた同時多発テロ、東日本大震災、コロナ禍などです。中長期的なダメージを受け、回復するまでにかなりの時間が必要で、「後遺症」とも言える長期的な影響が残りました。大きなダメージから復活し、また新しいものを生み出すというプロセスが、かつてのパラダイムシフトでした。しかし、ここのところ、5年に一度くらいのペースで社会の大きな動きが起きています。ダメージから完全に回復しない状態で、また新たなパラダイムシフトが起きることが当たり前になりました。一度定義したものでも、変化に応じて再定義し続けることが必須です。回復作業についても、かつては人間中心で進めていましたが、テクノロジーと掛け合わせない限り、変化に対応することができません。

  • パーパス経営を実現するカギは人的資本にある

「パーパス経営」が昨今注目を集めている理由には、このような背景があります。変化の激しい世の中では、ミッションが普遍ではないという前提で、企業の根幹である理念すらも、再定義し続けることがパーパス経営だと言えるでしょう。企業はパラダイムシフトに対応できる組織づくりをする必要がありますが、自己を見失わずに変化に柔軟に対応していくためにも自社の存在意義を明確化し、社会に与える価値を示す必要があります。

ミッションを掲げることの重要性は今に始まったことではありませんが、改めて原点に立ち返る必要があるくらい変化が激しいということなのです。さらに、このパーパス経営を実現するためのカギは、「人」であることを忘れてはなりません。人的資本が企業の目的達成には不可欠であり、人的資本経営を推進する人へ積極的に投資をしていくことが大切です。様々な立場の方と意見交換を重ねる中で、パーパス経営と人的資本経営は、繋がっていることを実感しています。

人的資本経営の実現においても、「学ぶ」というところがカギであるということを改めて強く認識し出したのが2022年でした。これまで成し遂げられなかったものを成し遂げようとした時、今までにないものを創造しようとする時、学びながら挑戦しない限り成果が上げられないということを誰しもが実感した一年になったのではないでしょうか。

  • 「学び」は「人的資本」に、「人的資本」は「パーパス経営」に繋がる

企業の競争優位性の定義は、やはり生産性でしょう。人・モノ・コトに関わるコストは最小限に抑え、いかに最大限の効果を生み出すか、企業はこれまで限界と言っていいほどコスト削減に取り組んできました。分母の部分は絞り切ったため、今後はより分子に該当する部分に焦点を当てて取り組むべきだと考えます。その点においても、「学び」が寄与する効果や創造性は、無限大の可能性を秘めています。「学び」のベースには人的資本があり、その先にある「パーパス経営」に繋がっている、という流れが、今企業で起きているキーワードの繋がりだと言えるでしょう。なお、「学び」というと、「勉強」のイメージが強いかもしれませんが、ここで言う「学び」とは、フォーマルだけでなくインフォーマルも組み合わせであり、トレーニングからラーニングという流れで捉えています。単なる研修や勉強と捉えないことに注意が必要です。

従業員視点で生まれた「キャリア自律」、企業視点で生まれた「パーパス経営」、「人的資本」は、語られる視点が違うため、バラバラなものとして捉えがちです。しかし、一見バラバラに見える概念を統合し、組み合わせることが大切です。

  • 学習の科学とAIテクノロジーで、学習を再定義していく

当社では、「AI」、「学習の科学」、そして「テクノロジー」で、学習を再定義していくことを掲げています。

この学習を再定義する上で重要なのが、「ソートリーダーシップ」と「テクノロジーリーダーシップ」です。

「ソートリーダーシップ」とは、効果的な学習へのアプローチ方法のことで、一方的な詰め込み教育ではなく、「練習や訓練を積み重ね、コーチからフィードバックを受けることが効果的である」ことや、認知科学の面で「目だけではなく耳にも働きかけることが重要」、脳科学的には「感情」が大切であることなど、効果的な学習とは何かという研究が進められています。

次に、「テクノロジーリーダーシップ」とは、最高の構造で学べる学び方が標準化されることによって、個別化とスケーラビリティを実現することを言います。AIの強みを活かし、無駄のない学びを大規模組織に展開させることができます。最先端の研究によって検証された効果の高い学びを、個別化とスケーラビリティで組織として生産的に提供していくということは、当社が最も得意としていることの一つです。

これまでAIは、技術的な観点で捉えられることが多かったのですが、最近になってビジネスにおける価値提供という視点から、AIが語られるようになってきました。Gartnerが発表した「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」を見ても、AIが過度な期待を受けている状態を脱し、実用化レベルにまで達していることが分かります。

AIそのものは、分析的AIと生成的AIに分かれており、本来人間の役割だった「新しいものを生み出す」という「生成」の役割も、今ではAIも生み出せるようになってきました。AIは「死なない」ので、ずっと存在し続けるということも大きな価値だと考えています。

  • ​AIの評価の方が信頼性が高いことが明らかに

当社が取り組んでいる研究で、今年大きな成果をあげたものに、「uShow(ユーショウ) AI」という、社員のトレーニング評価をするAIがあります。具体的には、複数あるシナリオから1つを選び、トークの練習をして、動画を撮影します。その動画に対して、論理構造や説明、結びの言葉などがちゃんと話せていたかが点数で評価される仕組みです。高得点の動画を見返すこともできたり、項目ごとの評価を確認することも可能です。このシステムで検証を進めた結果、AIの方が評価の信頼性が高いということが分かりました。人が評価すると、好き嫌いに左右されたり、評価のばらつきが出やすいというデメリットがあり、安定感という意味では、AIの評価が圧倒的となりました。

また、あるグローバル企業にて、3,328人が参加した実証実験では、1回16分平均の動画が合計で84,000回提出され、23,000時間がAIによって評価されました。これは、人間が一つ一つの動画を見て評価できる範囲を超えています。人の手を介さず、この数の練習を引き出すことができ、組織規模で質を上げることができるということは、質と量ともにAIがかなり実用レベルまで達していると言えるでしょう。

さらに、AIはコンテンツ生成にも活用可能です。写真と原稿をアップロードするだけで、AIが自動的にビデオ形式の字幕付きスライドを生成します。今までの動画作成時に発生していた、撮影の準備・撮り直し・編集といった手間を無くし、コンテンツ作成にかける工数を大幅に削減することができます。

  • AIは学びの量と質を高めるパートナーに

変化が激しい時代において、私たちが学ばなければならないことは尽きることがありません。人材育成は企業の継続的な成長に欠かせない要素となっています。そこで、生成的AIと分析的AIを活用することで、学習におけるコンテンツ作成や評価にかける工数が大幅に削減され、人はよりよいコンテンツ内容を考えることに注力できます。今後AIは、質的な面と量的な面で成果をあげられるパートナーとして認められていくでしょう。